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退去予定物件は内見できない!先行申し込み・契約後のキャンセルは可能?
賃貸物件を探していると「〇月退去予定」や「居住中」などと書かれた物件があります。現在は人が住んでいるけれど、退去する予定のある「退去予定物件」というものです。
今はまだ居住しているため内見ができない状態のため、どうして募集が始まっているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では退去予定物件が賃貸ポータルサイトに掲載されている理由や、先行申し込み・先行契約の方法やキャンセルについてご紹介していきます。
退去予定の物件とは|入居中・居住中の意味
退去予定の物件とは、その名の通り居住者の退去が決定している物件を指します。
物件の空室期間が長くなるほど大家さんや管理会社の利益が少なくなるため、退去連絡があってからすぐに次の入居者を募集することで家賃収入を最大限に得ようとします。
そのため、現在はまだ入居中であっても「退去予定物件」として賃貸のポータルサイトなどで募集を始めるのです。
入居中や居住中と書かれた物件も退去予定と同じ意味で、中には「◯月中旬から入居可」など入居できるタイミングまで記載されている場合もあります。
居住中はおとり物件なの?
居住中に次の入居者を募集し始めるのは賃貸不動産の業界では一般的な行為のため、居住中だからといって怪しい物件ではありません。
しかし、中にはおとり物件といって実際は退去予定ではないのに募集をしている悪徳な不動産屋がいるのも事実。
人気の物件を退去予定として掲載することで人を集め、実際にその物件目的で不動産屋に来店したお客様に対しては「その物件すでに契約者が決まった」と伝え、別の物件を紹介するという手口です。
退去予定物件の中でもおとり物件である可能性は低いですが、中にはこういった場合があると覚えておきましょう。
おとり物件について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
退去予定の物件は内見できないの?
退去予定の物件は基本的に内見できません。しかし、入居者が承諾すれば稀に居住中の様子を内見できる場合があります。
どのように内見するのかや、内見できない場合の対処法について見ていきましょう。
基本的には内見できない
退去予定の物件はまだ居住者がいるため、基本的には内見できません。間取り図や写真、設備情報などからイメージして申し込むという形が一般的です。
最近ではお部屋を360度見渡せるパノラマビューを用意した物件が多くあります。お部屋のイメージがつきやすいため、退去予定物件の契約に悩んでいる際はこういった機能を活用してください。
入居者が承諾すれば内見可能
退去予定物件はほぼ確実に内見できませんが、稀に入居者が内見に承諾し、居住中の物件を見せてくれる場合があります。
単身世帯向けの物件よりもファミリー向け物件の方が承諾してくれるケースがあり、どうしても内見したいのであれば一度交渉してみるのも手です。
この場合の内見は入居者の好意で成り立っているものなので、感謝の意を伝えマナーや節度を持って見学してください。
似た間取りの部屋を代わりに内見する場合がある
希望の物件が退去予定であっても、同じマンションの別の部屋は空室といったケースがあります。
間取りが違っても同じマンションであればお部屋の雰囲気や設備、防音性などは確認できるため、代わりに別部屋を内見するのは大変参考になります。
もし希望の物件が現在入居中であれば、他の部屋に空きがないか確認してみましょう。
退去予定物件の「先行申し込み」のメリット
退去予定物件は「先行申し込み」が可能です。
先行申し込みとは、内見前に契約に必要な審査などを進めておき、退去後に内見してから契約を検討するという方法です。
これは契約ではなく申し込みのため、退去後に内見をして契約するといったプロセスを踏めます。
退去まで契約できないというデメリットがありますが、引っ越しを急いでいないのであれば先行申し込みは2つのメリットがあるのです。
優良物件の内見がいち早くできる
退去予定の物件の中には、「築浅で綺麗」「駅から徒歩1分」「人気エリアなのに安い」など優良物件が数多く存在します。
しかし、内見できないがゆえに契約するのは勇気がいる…と感じている方におすすめなのが、先行申し込みという手法です。
申し込みが早いほど優先的に内見ができるため、人気の物件でも他の人に取られにくいというメリットがあります。
先に審査などを済ませているため、契約の意思があればその後すぐに入居できるのも先行申し込みならではのポイントです。
内見後にキャンセルしてOK
先行申し込みはあくまで内見の予約のため、契約には至っていません。そのため、内見をしてイメージと異なればキャンセルをしても大丈夫です。
キャンセル料や違約金などは一切かからないので、内見をしてから検討できるという点もメリットと言えます。
退去予定物件の「先行契約」のデメリット
先行申し込みとは違い、退去予定物件の「先行契約」は、内見をせずに賃貸物件を契約することです。
物件はいくら写真で確認をしていても、実際に見ないと分からない部分が多数あります。先行契約は内見なしだからこそ考えられるデメリットがあり、慎重に行わないと住んでから後悔する可能性があるので注意点をご紹介します。
思っていた物件と違う可能性がある
間取り図やパノラマビューを見ていても、実際のお部屋に入ってみると思っていた物件と違ったというケースが非常に多いです。
例えば壁の薄さや内装の色、収納の大きさなどは実際目で見ないと分かりづらい部分です。また、ゴミ出しのマナーが悪いなどの住民トラブルは内見なしでは気づけないでしょう。
キャンセルすると違約金が発生する
先行契約は申し込みとは違い、内見前に審査から賃貸契約までを完了させた状態となります。
そのため、物件のキャンセルは短期解約と判断されて違約金がかかるので注意しましょう。
違約金の相場は家賃1ヶ月分です。先行契約で物件選びに失敗するとこのようなデメリットがあるので、慎重に行う必要があります。
退去予定物件の先行申し込み・契約の注意点
退去予定物件の先行申し込みや先行契約で失敗しないためには、次の3つを意識しましょう。
・間取りや設備を細かく確認する
・入居可能日を確認する
・実際に現地に足を運んでみる
これらの注意点について、一つずつ解説します。
間取りや設備を細かく確認する
間取り図だけではなく、縦横の長さや収納の幅など細かい点まで確認すると失敗しづらいです。
先行契約は引っ越し当日までお部屋に入らないケースも多いので、家具の配置などを考えるのにも役立ちます。
また、設備は詳しく確認するのがおすすめ。見落としやすい設備情報は以下の通りです。
・インターネットの有無
・浴室乾燥機
・宅配ボックス
・ゴミ置き場
このあたりは入居後を快適に過ごすためにもしっかり見ておきましょう。
入居可能日を確認する
退去予定日の翌日から入居できるのではなく、退去後にハウスクリーニング・リフォームや鍵交換を行うため、入居まで1ヶ月程度かかってしまいます。
早くても1週間はかかるので、いつから入居できるのかは確認しておきましょう。
実際に現地に足を運んでみる
内見できない場合でも、実際に現地に足を運んでみるのがおすすめです。マンションの雰囲気や敷地内の様子、また周辺の治安や利便性を見ておくと入居後のイメージがつきやすいです。
まとめ
特に引っ越しが多い3月〜4月は退去予定物件が非常に多い季節です。
内見せずに契約するのはデメリットが多いので、可能であれば「先行申し込み」を利用して優良物件の内見予約をするのが良いでしょう。
住みたいと感じたお部屋がまだ居住中だった場合は、この記事を参考にして事前に物件情報をしっかりと確認してくださいね。